2012年1月7日土曜日

小倉美惠子「オオカミの護符」

 小倉美惠子「オオカミの護符」新潮社、2011
川崎市宮前区土橋で見つけた一枚の護符。「オイヌさま」の絵柄が描かれているその護符には、関東の様々な土地で人々の間で息づいていた暮らし、信仰、文化の古層が隠されていた。古層といってもほんの数十年前には当たり前のように存在し、現在もかすかに痕跡をとどめている。しかし、いずれ消え去っていく可能性が高い。筆者はその古層の今を丁寧に追い、解きほぐして行く。百姓の知恵、オオカミ信仰、山岳信仰、今となってはその存在すら一般に知られることの少ない、こうした豊穣な世界観がかつて、今や都市化が進んでしまった東京や神奈川にも確かに存在していたことを明らかにしてくれる。年末に丸善日本橋店で見つけてページを開くや一気に読んでしまった。おすすめ。



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