2008年1月5日土曜日

別れ

義理の母が逝った。

結婚してから十一年間、様々な思い出がある。

娘と息子をこよなく愛してくれた。妻を助けてくれて、そして私を助けてくれた。


寂しい。


娘は「もう苦しくないんだから、おばあちゃんは大丈夫」と言った。病床で、また、死んでなお、娘はおばあちゃんの髪を解かし続けた。本人は最早涅槃にいて安心の境地にいるにしても、残された家族の喪失感を癒すのは大抵のことではない。


母は、生きている間、家族を一つにつなぎとめ、そして、死んでなお家族を再び一つにした。


生きることは悲しい。生きることは苦しい。

愛別離苦。

誰もが必ず死ぬし、そして誰かが生まれる。

無常、を言葉で知ってはいても、受け入れがたい現実。愛する人がいなくなるという事実。しかもこんなにも早く。


もう一日早ければという後悔。

日頃から健診に無理に連れて行けばという後悔。

前兆を見逃していた後悔。

親孝行ができなかったという後悔。

ありがとうと言えなかった後悔。

失うのであれば、あれも言ったのに、これもしたのに・・・。

届かない思いだけが、ぐるぐると浮かんで回っている。


もっと生きていて欲しかった。

娘と息子のなかに「おばあちゃん」をもっと刻み込んで欲しかった。


今はもう叶わない願い。


母は全力で生きて来た。全力で人生を駆け抜けた。そろそろ休まなくていけない時節だったのかもしれない。自らの死をもって家族に最後のお世話をしたのかもしれない。


悲しい。


平成十九年十二月四日、享年六十六歳、本当に多くの人に惜しまれて母は逝った。


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